食物に含まれる着色汚れや、炭酸を多く含んだ飲料やビールなどを多く飲む習慣を長年続けていると、歯の黒ずみや着色汚れなどが目立つように見えることがあります。
このような現象は汚れ成分が付着しているほかにも、口内での化学反応にも原因が求められるので対策も一筋縄では行きません。
家庭でも使用できる専用の歯磨きなども市販されてしますが、薬事法上さほど強力な漂白効果をもつ成分を配合することは出来ないため、思ったような効率的なケアを期待することは困難です。
市販品ではせいぜい着色汚れを防止する点に力点がおかれていると見るべきでしょう。
そこで審美歯科などを受診して治療を受けるのが対策の基本になりますが、主にホワイトニングとオールセラミックのどちらかを選択することになるのです。
そこで両者の治療の違いや特徴を比較してみましょう。
ホワイトニングとセラミックの違いや特徴を比較
ホワイトニングとは、漂白効果を持った成分を歯の表面に塗布し、表面に付着した着色物質を取り除き、さらに黄色身を帯びている象牙質が透けて見えるのを避けるためにエナメル質の表面に光の乱反射を起こさせて、歯を白く見せるというものです。
歯を白くするうえでは効果的なアプローチですが、元の歯の状態や色合いによっては所期の目的を達成できない場合があります。
もちろん食物中に着色物質が含まれているので、時間経過にともなって色が元の状態に戻っていってしまうので、白い歯をキープするには定期的にリタッチを行う必要があるのです。
歯を削ることなく白く出来るメリットを持っていますが、天然歯以外には効果がありません。
レジンなどのクラウンの着色を白くすることは出来ないことになります。
また幼少期にテトラサイクリン系抗生物質を服用したことによる副反応としての歯の変色や、歯髄を除去(いわゆる神経を抜くこと)後の変色などにも奏功しません。
このような事情があるときや、銀歯や古い治療物の着色や変色がきになるなら、セラミックを選択することでホワイトニング効果を得ることが可能になります。
虫歯治療では被せ物や詰め物に使われる素材には、金属やレジン(プラスチック)などがあるところ、経年劣化したりとりわけ金属はイオン化して歯茎に黒ずみを生じすることもあります。
このような欠点を克服するのが、白い陶材のセラミックになる訳です。
白い陶材のセラミック
この素材の特徴は身体への害が少なく、自然歯に色身も類似しているので仕上がりが自然で、長期間装着していても変色しないメリットをもっています。
この点はホワイトニングとの大きな違いで、白い歯を保つには半永久的に定期的なメンテナンスはセラミックの場合不要になっているのです。
お口の中の総合的な状態を考慮すると歯の一部が変色していたり、金属の詰め物などが存在することが審美的にも身体的にも好ましい状態とは言えません。
ホワイトニングで処置できない部分は、セラミックを活用するのが賢明です。
ただしこの素材を使用すると、実際の患者さんのお口の中の歯の色合いによって歯、白く見えすぎて周知との調和が取れないことも間々あります。
そのような状況に直面したときには、天然歯に対してはホワイトニングを併用し、審美的に不自然な仕上がりにならないように調整することもあります。
あるいは天然歯にあわせた色合いのタイプのセラミックが選択される場合もあるようです。
実際に満足できる仕上がりを達成するには、両方の方法の特徴やデメリットを把握し、場面に応じて使い分けることが大切な視点になります。
そこで患者サイドもどのような歯の状態を希望するのかを明確に伝えて、お家の中の歯の形や色に歯茎の状態などに最適なセラミックを装着するのが、自然で綺麗な歯並びを実現するためのポイントです。